ころいぬころころ日和

好きなもののことをイラスト付きで書いたりしています。

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選ぶなら親切を『ワンダー 君は太陽』感想

 

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 原作は全世界で800万部突破の小説『ワンダー』(著R・J・パラシオ)

とても感動するという感想が気になって見に行ってきました。ハンカチを持っていって大正解でした。あらすじを見て想像していたものよりもすごく明るくて前向きになれる映画でした。悲しいことやつらいこともたくさんあるのですが、それに負けずに立ち上がるオギーの勇気や変化する周りの人たちの姿に何度も涙がこぼれました。

 

 

あらすじ

ニューヨークに住むオギーは『スターウォーズ』やハロウィンが大好きで宇宙飛行士に憧れる10歳の男の子です。遺伝子の疾患により人とは違った顔をもって生まれた彼はずっと自宅学習を続けてきましたが、両親の決断により新学期が始まるのを機に一般の学校へ通うことになります。

 

感想

この物語は主人公のオギーだけでなく、周りの人たちにもスポットライトを当てています。皆それぞれの悩みを抱えて生きていて、別の視点ではわからなった思いを知ったとき、どの人物も愛おしく感じて幸せになってほしいと思うようになりました。これは映画の中だけでなく現実の世界でも当てはまると思います。楽しそうだったり、いつも笑っていたとしても見えているものが全てではなく、その人も悩んだり葛藤を抱えて生きているかもしれません。

映画のようにその人の人生を見ることはできないですが、人には見えている一部だけでなく多くの面があるということを忘れないでいたいです。

 

 

 

それぞれの物語◇ネタバレあり

映画にはたくさんの登場人物の悩みがあったのですが、中でも一番共感したのはオギーの姉ヴィアでした。

ヴィアがしっかり者で手がかからないこともあり両親はオギーを最優先にします。もちろん両親はオギーだけでなくヴィラのことも同じように愛しているのは伝わりますし、きっとヴィラも理解しているのですが、それでも寂しさを感じる気持ちも分かります。両親がヴィラの話の途中で席を立ってオギーを追いかけて行ってしまったときの諦めたような表情が悲しかったです。

無性に孤独感を感じることや、大勢の人ではなくたった一人、誰かの一番になりたいと考えることってあると思います。ヴィラに「あなたが一番」と言ってくれたおばあちゃんとのエピソードも切なくて涙が出ました。

 

オギーの最初の授業でブラウン先生が教えてくれた格言に「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときには、親切を選べ」というものがあるのですが、この映画を表しているとしみじみ思いました。

正しいことと親切なことは同じように見えますが、同時に行動に移せないときもあります。

オギーのことを侮辱したクラスメイトのジュリアンを殴ったジャックは、まさに親切を選んだ行動をとりました。私は正しいこというより「正しく見える」方を選びがちです。誰かに怒られないよう、自分が悪者にならないようにと、そればかり考えている気がします。自分ではなく誰かのために行動したジャックだったり、そんなジャックのことを理解してくれる校長先生だったり、オギーを避ける周りの声よりも「友たちになりたい」という自分の心を大切にしたサマーだったり、この映画には登場する優しくて強い心を持つ人たちのように、親切を選ぶことのできる人になりたいと思いました。

映画の中ではジュリアンの視点から語られることがなかったのですが、校長室で見せた表情や校長先生への言葉を聞いて、本当は悪い子じゃないんだろうなと思いました。もちろんオギーをいじめていたことはいけないことですし、彼がひどいことを言ったときは「意地悪な子だなぁ」と憤りを感じたのですが、あれが彼の全てではないんだと映画を見終わった今なら分かります。

ジュリアンのことももっと知りたかったなと思い調べてみると、原作とは別に『もうひとつのワンダー』というスピンオフ本も出ていて、そちらではジュリアン、シャーロット、クリストファーのそれぞれの物語が書かれているようです。すごく気になるので今度読んでみたいと思います。

 

まとめ

オギーがいじめられるシーンは見ていてつらいのですが最後は笑顔になれますし、そこにいたる過程が微笑ましかったり感動するので見終わった後は元気になれます。心があたたかくなる優しい映画でした。